こんにちは。継続的に売れる仕組み再構築の専門家、諏訪昭浩です。

僕は言葉を大切にしていますが、時に言葉ではなく絵で表現する方が良いことがあるのも知っています。言葉がしっくりこないときは絵で。このオプションを持っていると、発想と表現の幅が広がります。

まず言葉が大切だが、絵の方がうまく表現できることがある

「稟議」という意思決定の仕組みは日本の会社組織の特徴です。

昔、某銀行に勤めていた頃のことです。稟議書の書き方は、会社によって、また、権限者の好みによって色々あると思いますが、ある時、とにかく「絵で描け」という時がありました。

人間は文字情報より視覚情報の方が理解しやすいとか、記憶に残りやすいとか、絵で描くことには確かにいい点がたくさんあります。でも、銀行という仕事の性質上、文字の方が伝えやすいことの方が多いわけで、それを絵で表現しろと言われると悩むわけです。

「どうやって絵で描こうか・・・」

「よし、ここのところ、ここだけ絵にしよう」なんて考えて、とにかく絵を挿入するんですね。それを見た権限者が、「お、なかなかよく描けてるじゃないか!」と、内容じゃなくて絵を褒めるのが、とても滑稽でした。

さて、その、絵についてなんですが、最近、絵はすごいな、と思ったことがありました。

経営者の方を対象にしたコンサルティングで、その人が大切にしている価値観を単語で表現することがあります。「挑戦」とか「創造」とか。

これらの単語はとても奥深い意味があって、表面上の概念だけでなく、その人ならではの深い意味も備わっています。この単語を見ると、それらがすべて頭によみがえってくる。言ってみれば、その意味をいつも引き出せる「引き金」みたいなものです。

このような「単語で表す」というアプローチが一般的なんですが、その方の場合、「これは一般的なやり方にはめ込まない方がいいな」と感じて、最終的には、価値観を3つの「文」か「フレーズ」で表現しました。

「ねえ、〇さん、これ、あなたの価値観よね? だって、これも、あれも、全部ここから来てるよね。」と、価値観同士の関係も明らかにしました。すると、「そうですね! すっきりしました!」 と、とても納得してもらったんですが、ちょっと僕には違和感があったんですよ。

それで、ホワイトボード使って絵に描いてみました。第三者が見たら、「なんじゃこりゃ!」というような抽象的な絵です。

「○○さん、この絵、これでしょ!」
「そうです!!!」

ということで、単語やフレーズ、文より、この絵に一番納得していただきました。

今日のまとめ

何かを表現したいとき、それを伝えたいとき、時には絵で表現するほうがいいことがあります。経営者、士業者、講師、カウンセラー、コンサルタント。共通していることは「表現者」であることです。気持ち、概念、知識、技術、いろんなものを「表現」して伝えることが、その大きな機能の一つですから、そのためのスキルを磨いておかなければなりません。書くことやしゃべることだけでなく、「絵で表現する」技術があると、表現の幅と効果が広がります

この記事を書いた人
諏訪昭浩(すわあきひろ)
「継続的に売れる仕組み構築の専門家」
1961年広島生まれ。在米11年のMBAを持つ米国公認会計士として複数企業の経営を歴任した元エリートビジネスマン。自らが実践してきた、選ばれるため、売り上げるための仕組み作りと、パーソナルブランディングをベースに独自のノウハウを構築し、セミナーやコンサルティングを行っている。

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