こんにちは。広島ブランド工房代表の諏訪昭浩です。

先日、僕が認定講師をつとめる日本パーソナルブランド協会主催の「第19回セミナーコンテスト広島大会」に出場する方々を対象に、セミナーテーマの選び方とセミナーシナリオの作り方について対策講座を実施しました。

人の心に届き人を動かす話し方ができることは、セミナー講師だけでなく、ビジネスマンなど社会的生活を送る全ての人にとって重要です。そのためには、しゃべり方やシナリオの作り方など、テクニック的な事ももちろん大事ですが、実は、常に人間的成長を図ろうとする自覚、決意、姿勢があるかないかなのです。

ここで必要なことは、成長を促進する要因を増やすことではなく、むしろ成長を阻害する要因を減らすことだと僕は思っています。そんな成長阻害要因のひとつについて、この対策講座でお話ししたのが「優越の錯覚」についてです。

自分は「自分はスゴイ!」と思った途端に成長が止まる

対策講座ではこんなお話をしました。

皆さん、職場とか学校で、こんな人いませんか?

たいして営業成績が良くないくせに自分は優秀な営業マンだと思っている人。
成績が悪いのに「やればできるんだ」的な余裕をかますヤツ。

どこでもいますよね。

実は、それを実証したこんな実験がアメリカで行われたことがあります。

アメリカのある大学で学生にテストを受けさせて、そのテストの実際の成績と、テストの出来に関する自己評価とを比べたんですね。すると、実際の成績が最低だった参加者の自己評価はとても高かったんですね。成績が下位10%に入るある学生の自己評価が上位60%だったという例もあったそうです。

つまり、人間は自分を過大評価してしまう傾向があるということです。人は「優越の錯覚」に陥りやすいのです。これを、研究者の名前をとって「ダニング=クルーガー効果」と言います。

人を動かす話し方のためには、成長に対する強い思いがないといけません。人は成長に貪欲な人かどうかを感覚的に読み取ります。そして、そんな人だからこそ話を聞きたいと思うのです。

しかし、自分を過大評価した途端に成長は止まります。ですから、皆さんがよいセミナー講師になるためには、まず、できない自分を受け入れいるということが、最初の第一歩になるわけです。

ありのままの自分を受け入れるというのは歌詞などにも頻繁に出てきますが、とても耳障りのいい言葉です。でも、これができている人はなかなかいるものではありません。ましてや、できない自分、自分のダメなところを受け入れるなどと言うのは、もっと難しいわけです。

しかし、僕はこれが、人を動かす力がある話し手に絶対に必要な要素だと思いますし、それだけにとどまらず、目標を持ってそれを成し遂げようとする全ての人にとって必須であると考えています。

 

今日のまとめ
問題は、どうやったらできない自分を受け入れることができるかです。これについては、たとえばこんな書籍をオススメします。最近まれに見る良書でした。

「insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力」
ターシャ・ユーリック (著)

因みに、「セミナーコンテスト」は、日本パーソナルブランド協会が主催する、通称「セミナー講師の甲子園」と呼ばれる大会で、セミナー講師未経験者または初心者が、全国10カ所で開催される地方大会から勝ち上がってグランプリ大会優勝を目指すイベントです。今年で13年目になる本大会は、これまで約1200名のセミナー講師を輩出してきました。昨年はシンガポールに進出、来年はロサンゼルス進出の予定で、人と社会を輝かせることができるセミナー講師育成を国際規模で行っています。因みに僕はグランプリ大会第3位をいただいたことがあり、今は講師育成に力を入れています。

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この記事を書いた人
諏訪昭浩(すわあきひろ)
「継続的に売れる仕組み構築の専門家」
1961年広島生まれ。在米11年のMBAを持つ米国公認会計士として複数企業の経営を歴任した元エリートビジネスマン。自らが実践してきた、選ばれるため、売り上げるための仕組み作りとパーソナルブランディングをベースに独自のノウハウを構築し、セミナーやコンサルティングを行っている。

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