こんにちは。継続的に売れる仕組み再構築の専門家、諏訪昭浩です。

2008年のリーマンショックはいまだに暗い影を残しています。小売業や飲食業は、落ち込んだままの個人消費のために苦しい時期から抜け出せず、デフレも手伝って、安いことが当たり前と考える大多数の消費者への対応に追われています。

しかし、たとえば飲食店が、その大多数を相手にしてこんな看板を出すと、たいていは数ヶ月後に閉店に追い込まれます。

看板で値引きを訴えるのは自殺行為。

こんな看板です。

この看板のどこがいけないのかというと、これが伝える「隠れたメッセージ」がいけないからです。そのメッセージとは、「うちの店ひまなんです。安くするから来てください!」

はやっていないことを自分で宣言しています。

人は人を呼ぶ。人は人が集まる所にしか行きません。

自分からはやってないことを公表する看板を出すことは自殺行為です。

それからもうひとつ。これをすると、価格競争から抜けだせなくなります。

Hot Pepperなどのクーポン誌で安いところを探して行く人は、安くなくなると行きません。

安くして仮に集客できても、レギュラー価格に戻すと、その人はやってきません。

店としては、安くして集客して、その機会に店の魅力をわかってもらって、リピートしてもらおう、なんて、安易なことをもくろんでるのでしょうが、ダメです!まず効果がない! これは、売る側の勝手な論理なのです。

安くしないと集客できない仕組みを自分で作ると、もう泥沼ですよ。

飲食店というのは、極めて嗜好性が高い夢商売。だから、店の姿勢はいつも一貫していないとダメなんですよ。

因みに、写真の看板を出していた店は2ヶ月後に閉店しました。

今日のまとめ

まず大切なことは対象顧客の明確化です。大多数の安いのが当たり前と考えるマジョリティを相手にすると失敗します。妥当な価格設定をして、それを妥当だと受け入れてくれる顧客だけに絞り込んだ計画をしなければなりません。これができていないと、ぼんやりとしたマジョリティを相手に、安ければ来てくれる、という売る側の勝手な思い込みでしか商売ができなくなってしまい、それは必ず失敗します。

この記事を書いた人
諏訪昭浩(すわあきひろ)
「継続的に売れる仕組み構築の専門家」
1961年広島生まれ。在米11年のMBAを持つ米国公認会計士として複数企業の経営を歴任した元エリートビジネスマン。自らが実践してきた、選ばれるため、売り上げるための仕組み作りと、パーソナルブランディングをベースに独自のノウハウを構築し、セミナーやコンサルティングを行っている。

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