こんにちは。継続的に売れる仕組み再構築の専門家、諏訪昭浩です。

僕が11年住んだアメリカから帰国しようと思った一番の理由は、2001年9月11日の同時多発テロ、いわゆるセプテンバーイレブンがきっかけで、アメリカ社会が大きく変わってしまったことでした。それ以来、銃の乱射事件など、まさに「社会のウミ」とも言える事件が多発するようになり、今アメリカ社会は非常に病んでいます。不治の病かもしれません。

そんなアメリカ社会で僕が経験し、また、今でも残っていると確信している、ひとつの「美徳」があります。

人間の本質は「利己」だが、「利他」とのバランスをとる事が効用を最大化する

僕が住んでいたミシガン州の冬はとても寒く、マイナス10度とか15度は当たり前でした。雪も多い。余談ですが、気温が低いと雪はサラサラで、雪だるまが作れません。

ある冬の朝、出勤するために車の中からリモコンでガレージのドアを開けると、何と、ドライブウエイに1メートルくらいの雪の吹きだまりができていました。これでは車を出せない。仕方なく車から降りて、エンジン式の雪かき機で雪を取り除いてから出発。雪が降り続く予報だったので、「帰宅したらまた雪かきしなければ」、と考えつつ会社に向かいました。

そんな状況でしたから、その日は早めに帰宅。すると、ドライブウエイに雪が積もってないのです。誰かが雪かきをしてくれていたのですね。

ちょうど向かいの家のお嬢さんが自分の家の雪かきをしている最中だったので、僕は直観的に彼女がやってくれたんだ、と悟りました。

彼女に「こんにちは、君が雪かきしてくれたのかい?」と尋ねると、彼女は、

「お隣さんだから(当たり前)。」と答えました。

今のアメリカは社会が病んでいますが、そんな中でも、この隣の家の雪かきをする、という発想は、依然として残っているのだと思うのです。

その理由は、なぜ隣の家の雪かきをするのか、考えるとわかりました。それはキリスト教の教義だからです。

アメリカを理解するときに欠かせない視点の一つは、アメリカがキリスト教の宗教国だということです。ドル紙幣には"IN GOD WE
TRUST”と書いてあります。「我々はを信じる」という意味です。この「神」について現在は論議があるのですが、もともとはキリストです。

そのキリスト教の教義に、有名な「汝の隣人を愛せよ」(マタイ22章39節)というのがあるように、キリスト教は「隣人愛」を多く説いています。これがアメリカ社会の根幹にしっかりと存在しているのです。

宗教の教義が社会に影響を与えている例ですが、日本は宗教国ではないので、日本人には少し理解できない事かもしれません。

キリスト教国であるが故に、キリスト教の教義が社会で発揮され、たとえば隣の家の雪かきをするという行動が生まれるのだと僕は考えます。

そのアメリカで生まれ、僕が20年所属しているロータリークラブの哲学の一つは「利己と利他の調和」です。これはどのように職業を行うべきかという実践哲学ですが、僕はこの哲学に出会ってから、仕事の仕方、さらには生き方まで、変わったように思います。

今日のまとめ

どんな仕事をする場合でも、自分の利益(利己)を最優先するのではなく、他人のためになること(利他)とのバランスを取ることを最優先することが商売を行うことになり、その結果として、長期的には商売繁盛が実現できると考えます。このような「哲学」があるとないでは、仕事の仕方、生き方が、全く変わってきます。

この記事を書いた人
諏訪昭浩(すわあきひろ)
「継続的に売れる仕組み構築の専門家」
1961年広島生まれ。在米11年のMBAを持つ米国公認会計士として複数企業の経営を歴任した元エリートビジネスマン。自らが実践してきた、選ばれるため、売り上げるための仕組み作りと、パーソナルブランディングをベースに独自のノウハウを構築し、セミナーやコンサルティングを行っている。

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