ヒトブランドマイスター諏訪昭浩です。

僕は「複業」を提唱しています。複数の「複」です。その理由は2つあります。

まず、歯止めがきかない少子高齢化で付加価値を生む労働人口が減っていく中で、僕たちは現在のような豊かな暮らしを維持できなくなるからです。

豊かさを維持するためには、ひとりひとりが今以上の付加価値を生む社会を実現しなければなりませんが、そのためには、「一人一業」という従来の枠組みを超えて、「一人複業」を実現する必要があります。

もう一つの理由は、健康寿命が大きく伸びていく中で、個人がいかに豊かに生きるか、を考えたとき、一つの職業にこだわらず多角的に働くことで、それが実現できるからです。

僕がなぜ「副業」と言わず「複業」と言うのかというと、「副業」と言った場合、「正副」という序列が存在するからです。

まず本来の職業があって、それプラスアルファで「副次的な」職業を持つ。そういった場合のプラスアルファが「副業」です。

その場合、「これは副だから」という甘えが生じます。うまくいかなくても、いつでもやめられる、という甘えです。

甘えがあると、結果もそれなりです。

残念ながら、僕は「複業」をしている方に、あまりお目にかかったことがありません。殆どの方は「副業」です。時には「職業を甘く見るな!」というような怒りさえ覚えることもあります。

サラリーマン、自営業、主婦。そういう通俗的なカテゴリーに身を置くことでも甘えが生じます。「僕はサラリーマンだから・・・」とか、「ただの主婦の片手間だから・・・」とか。

甘えを捨てて、しっかりコミットするのが「複業」です。いくつ職業を持っていても、その全てを同列に考えて全力を尽くす。この場合が「複業」です。何度も言いますが、甘えがあると結果はそれなりです。

そして、しっかりコミットして良い結果を出したとき、「複業」は「福業」になります。

副業禁止規定がスタンダードだった日本の労働環境は変わりつつあります。一部上場企業の中にも、この禁止規定を廃止するところが出てきています。

しかし、一番大切なのは、働く本人が甘えを捨ててしっかり取り組めるかどうかです。

「副業」にするか、それとも「複業」にするか。

これは職業人にとって、「これからどう生きるか?」という問題です。

一度しっかり考えてみることが必要かもしれません。

 

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