こんにちは。ブランドマイスターの諏訪昭浩です。
広島ブランド工房が提供するHBFリ・ブランディングは、「売れる理由」を再定義して、それを基本に売れる仕組みを構築します。
「売れる理由」の再構築が必要な理由は、売る側の勝手な思い込みで「売れる」と思い込んでいることが非常に多いからです。
とてもイイ商品だから売れるでしょうか? 売れません。なぜなら同程度の商品が巷に溢れているからです。それなのに、売る方は、売る物に自信があるため、買う方の論理を無視して、売れるに違いない、と思ってしまうのです。
この誤解を払拭し、本当に売れる理由を明確にするには、第三者の視点が欠かせないのです。
さて、さきほど、「同程度の商品が巷に溢れている」と申しました。サービスも同じです。
いくら我が社の商品は他社と比べて優れていると言っても、格段に優れていなければ差別化要因にはなりません。
差別化は、マーケティングの大家フィリップ・コトラーが、80年代に、著書「競争優位戦略」で有名にしました。僕も90年代初めにビジネススクールのマーケティングの授業で読み、大変感動しました。
しかし、登場から30年以上が経過しても「差別化」がもてはやされていることに、僕は大変疑問を覚えます。
もし、他の商品と比べてものすごく性能がいいといった場合は差別化は可能です。しかし、それが特許などで守られていない限り、いや、仮にそうであっても、必ず追従者が現れ、その性能の良さは次第に差別化要因としての力を失っていきます。
金融市場では、かつて情報入手タイミングに時間の差があったため、それを利用して利益を稼ぐ裁定取引が可能でしたが、今では無理です。情報が一斉にほぼ同時に拡散するからです。
同じように、かつて差別化要因であったものは、次第に市場の中で拡散し、差別化要因ではなくなっていくのです。
ま、この場合は、その時がライフサイクルの終わりということで、それまでに初期投資を回収しても余りある利益を生めばいいわけですが、どちらにしても、この差別化は長続きしません。
また、そもそも、そのような圧倒的な差別化ができる商品はそんなに出現しません。殆どの商品は、他と「どんぐりの背比べ」で、差別化が図れると思い込んでいるのは売る側だけです。
つまり、商品の差別化戦略は、実際それほど有効ではなく、誰でも採用できる戦略ではないわけです。その証拠に、差別化、差別化、と騒ぐ割には、この数十年の間、差別化できている商品は全体のごくわずかです。
それなのに、いまだに差別化がさも黄金律のようにもてはやされているのですが、それに気付き、差別化は無理だからどうするか、という発想が、本当に有効な時代が来ているのです。
僕はパッケージで差別化することを提唱しています。パッケージと言っても包装のことではありません。商品サービスの特性だけでなく、売る人、企業、その社長、商品コンセプト、ネーミング、伝え方、など、あらゆる要素をパッケージ化して、類似商品の中から抜きんでることです。
パッケージによる差別化は、個人法人を問わず、あらゆる商品サービスに適用できます。
差別化の誤謬に気付いて、新しい差別化を考えるときが来ています。