こんにちは。継続的に売れる仕組み再構築の専門家、諏訪昭浩です。

経済学部のくせに経済学がおもしろくなくて会計学ばかり勉強していた僕にも、これはいい、と思った経済理論が幾つかあります。そのうちのひとつは「グレシャムの法則」です。

16世紀にトーマス・グレシャムが考案した本来の意味とは別に、20世紀にはノーベル賞受賞者のハーバート・サイモンが「計画のグレシャムの法則」という亜流を考案しました。

この法則は、とても汎用性が高く企業経営には欠かせない考え方だと僕は思っています。

ルーチンは重要な目的を忘れさせるので要注意

そもそもグレシャムの法則とは「悪貨は良貨を駆逐する」で有名です。額面は同じであるが質の高い貨幣と質の悪い貨幣を両方国内に流通させると、質の高い貨幣は蓄財や多得との取引に使用されるため市場から姿を消してしまうというものです。

計画のグレシャムの法則は、「ルーチンは創造性を駆逐する」というもので、ルーチン(日常業務)に追われると本当に重要な計画を忘れてしまうと言うものです。とてもわかりやすいし、身に覚えがある方もいらっしゃるのではと思います。

また、組織の中に質の悪い人と質の良い人がいると質の良い人は組織から出て行ってしまいます。優秀な人材の流出に悩んでいる企業はこうなっています。

業務の仕方にしても人材にしても、「悪貨」をそのままにしておくことが組織全体をダメにしてしまいます。経営者は、組織内の「悪貨」を見つけ出す目を持ち、見つけたら駆逐することがとても大切です。いやがられるかもしれません。厳しいと言われるかもしれません。しかし、これこそが数少ない経営者の仕事の一つだと僕は思っています。

反対に、こんな話もあります。

元気がない鮎の群れにピンピンした鮎を1匹放つと、それまで元気がなかった鮎が元気になるそうです。数十年前にある経営者から聞いた話ですが、もしグレシャムの法則が成り立つなら、ピンピンした鮎がダメになるはずです。でも、この話はその逆で、ピンピンした鮎が全体をよくするというもの。

僕はこう解釈しています。

ピンピンした鮎が自由に動き回れる環境があると周りに好影響を及ぼすが、元気がない鮎がピンピンした鮎が自由に動くのを阻止する様な場合は、ピンピンした鮎がダメになっていくのです。

利益なり何なり、目的を持つ組織が成長力を高めていくためには、まずは悪貨(ダメな鮎)を入れないことです。そして、それでも元気がなくなったら、ピンピンした鮎を放流して自由に泳がせる(権限を与える)ことです。

 

今日のまとめ
企業、グループ、サークル。色々なヒトの集まりがありますが、どんな集まりでも、その優秀性を高めるには徹底的に悪貨を駆逐することです。優秀な採用戦略を持ち、ダメなら切り捨て、時には優秀な構成員を新規に迎え入れて権限を与えることが必要です。

 

この記事を書いた人
諏訪昭浩(すわあきひろ)
「継続的に売れる仕組み構築の専門家」
1961年広島生まれ。在米11年のMBAを持つ米国公認会計士として複数企業の経営を歴任した元エリートビジネスマン。自らが実践してきた、選ばれるため、売り上げるための仕組み作りとパーソナルブランディングをベースに独自のノウハウを構築し、セミナーやコンサルティングを行っている。

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